ふぅろぶうぅるず

愚者の楽園

デジタル創作サークルMIS.Wを引退しました

巷で「退職エントリ」なるものが流行っているので便乗

2018年ももう残り1時間に迫ってしまいましたね。

どうもあたふたです。

さて、この記事を読んでいただいている方は殆ど分かっているとは思いますが、

去る12/14(金)、デジタル創作サークルMIS.Wを引退しました。

結論から言って、非常に楽しい場所でした。このまま終わってしまうのもなんか勿体無いので、このサークルとの出会いと色々あったことなかったこと(?)を振り返りつつ、年の瀬に便乗して色々纏めようかなって思いました。時系列に沿ったり沿わなかったりするかも。

TL;DR

もしかして:オタクの自分語り

入る前

弊学では1年生は学部共通の教育を受けて、2年進級時に学科を選択する「学科進級振り分けシステム」(以後"進振り"と略す)なるものがある。入学当初から、情報系の学科に進学したいとずっと思っていた上に、情報系学科が結構人気だったので、1年生の間はサークルもバイトもせずに比較的真面目に勉強していた。1今じゃこんなツイ廃なのに、大学界隈向けのTwitterも一切やっていなかった。

進振りで勝つためには手段を選ばなかった。コミュ障極まっていたくせに、所謂「ウェイ」と呼ばれる人種の人と過去問を手に入れる目的で連絡先を交換し、問題解いて解答共有するという「ギヴアンドテイク」を請け負っていたりもしていた。万が一の時のことも考えて、自分の不利にならない範囲であからさまに恩を売ることもあった。2

当然と言えばだけど、はっきり言ってそんな生活に華も何もありはしなかった。当時は生気の無い目をしていたように思う。

1年生の頃からよく話す友人からはみすっていうゲーム作るサークルがあって———」って話は聞いてはいた。「プログラミングって授業とかで習うよりも、サークル入って先輩とかから習った方が効率的だよ」って話も聞いてた。でも当時のモチベーションとして、正直に言わせてもらうと「いやぁ、ゲーム作るのって大変そうだし、別に作りたいゲームのアイデアがある訳でもないし・・・」ってのが大前提にあった。

秋頃から、より使いやすいTwitterクライアントを作りたくて1年生の秋頃からC#を独学で学び始めていた。大学からプログラミングを始めて、C言語入門の講義でプログラミングの基礎的な部分は押さえたつもりでこそあったが、当然パラダイムがそこそこ違う言語だった訳だから、当時はオブジェクト指向のオの字も知らなかった(メリットがよく分からなかったし、クラスメソッドとインスタンスメソッドの違いも分からなかった)。なんとなく、Xamarinっての使うとAndroidでもiOSでも、WindowsでもMacでも動くアプリが作れるって話は聞いていた。が、まあ当然そう簡単ではなかった。もうちょいターゲットを絞って、手始めにUWPアプリってのに切り替えて開発を進めてみたのだけれど、これも当時はそんなに簡単じゃなかったので思うように開発は進まなかった。けどまあ、OAuth認証だの、C#の歴史だとか、Javaと同じようにILに翻訳してから実行しているとか、IL(中間言語)がある関係で逆コンパイルが比較的しやすいとか・・・コードは進まず、なんとなくの知識だけが蓄積されていった。

ともあれ、1年次の終わりに成績と順位が発表され、晴れて第一志望の学科に進級できた。

学科が確定してから大学向けのTwitterを始めるようになり、本格的に2年生が始まる前から比較的積極的に交流をしていた。

んでもって見つけたんですよ。周りの人のbio欄に、やたらめったら「MIS.W51代」って書いてあるのを。

閑話休題Twitterで知り合った「みす勢」の人から話を聞く限り、どうもゲームを作るサークルという認識は必ずしも正しい訳ではないことが分かった。

もしかすればC#に詳しい人がいるかもしれない、と思いMIS.Wに入会することを決めた。

入ってからの印象

MIS.Wでは、入学年度に合わせて代が振り分けられており、2016年度入学ということで途中ながら51代として入会した。

まず驚いたのが、お互いをハンドルネームで呼び合うことが多いこと(本名を知らずにハンネしか知らないケースもザラ)。そして、やたらめったらツイ廃の人が多い。従って、別にサークルの活動時間外でも、下手すれば既に引退した先輩ともTwitterを通じてお互い会話していることはザラといった興味深い環境だった。

デジタル創作という意味をもう少し詳解すると、単にゲームを作るだけではなく、アプリケーション開発、Webページ作成、画集やコンピアルバム、ボカロPVなど、本当に「デジタル」な「創作」であれば、なんでもカバーしているサークルなのであった。主に学園祭やコミケに向けたそういった作品を作るプロジェクトを「企画」として有志で立ち上げ、サークル内で会員の参加を募り、進めていく形が主流であった。

企画以外にも、年に1回か2回ほど、プログラミング、CG(≒デジタル/アナログ問わず絵を描く人)、midi(≒音楽を作る人)の各研究会の発表会の機会が設けられており、そこに向けて何らかの作品を創作し、会員に向けて発表するという「一定期間での創作と発表(と評価)のサイクル」が確立されており、創作のペースメーカーとして機能しているのも非常に良かった。

包み隠さずに言うと、別にMIS.Wは物凄くストイックに創作するという訳でもなく(勿論物凄くストイックに創作されている方もいます)、来るもの拒まず、去るもの追わずと言ったゆるふわなスタンスだった。

ただ、だからと言って、皆創作に対していい加減なのかと言われれば、決してそういう訳ではなく、創作という行為を物凄く大事にしている人が多いのである。創作の大変さだとか、苦労をよく知っている訳で、初心者だろうがガチプロだろうが、創作物に対しては物凄く高く評価してくれる人が集まっているのである。発表会等を通じて他の人の作品を見て、良い意味で刺激され、更に情熱を燃やす人も多かった。

また、創作一辺倒な訳ではなく、ちゃんと学業との両立に配慮してくれる風土が醸成されていた点も非常に過ごしやすかった。

何をしたの

発表会では、2年生春期発表会では画像二値化アプリ「ShiroChroNism」を、3年生春期ではTwitter Clientの「TwiHigh」を作成した(入った当初の目的を達成できた)。自分の作品もそうだけど、何より神絵師や神作曲師やガチプロプログラマの作品を見ることが出来たのは幸せかつ良い刺激になった。

3年生ではCG研にも新たに加入し、後述する企画で描いた絵を発表したりした。

企画は、2年生次には「まほうつかいの家」という3Dアクションパズルゲームの企画に、プログラマとして参加し、3年生次には「SPACE」というシミュレーションRPGゲームの企画を自分で立ち上げ、プログラマ、グラフィッカ、プロジェクトマネージャ等々色々やった。

2年生以降の授業は1年生次の比じゃないレベルで忙しく、創作に割ける時間は決して多くはなく、多忙な毎日を過ごしていたが、それでも何もしていなかった1年生の頃とは比較にならないレベルで充実しており、楽しく過ごすことができた。

単に創作関連のスキルが向上しただけではなく、非常に優秀な先輩や同期、後輩と知り合うことが出来た点は、今後の人生で考えても間違いなく一生ものの財産だと言っても良いほどであった。

最後に

この記事でも何度も言ってきたとは思うのですが「創作には物凄くエネルギーが必要」とされます。一人で独学で進めても良いのですが、「自分と似たようなモチベーションを持った仲間が集まる環境で、時には自分が教え、時には自分が教えてもらいながら進めた方が、圧倒的に早く、楽しく創作することができます」

僕の当初の目的は、ただ単に「もっと便利なTwitterClientを作る」というものでしたが、だんだんサークルに馴染んでいくうちに「ゲームを作ってみたい」という思いが強くなり、最終的にゲーム制作までを全部自分で企画するほどまでに至ったのですから。

唐突な自分語りで申し訳ないのですが、高校生の頃、面白い話を作って、それをアニメ化して周りの人を楽しませたいと思い、ちょっとばかり動いたことがあります。しかし、その当時は自分用のパソコンすら持っておらず、受験勉強だの何だのに押され、当然完成する間もなく不完全燃焼のまま終了してしまいました(そもそもアニメ自体がゲーム制作以上に大変なものではありますが)。不完全燃焼のまま終わってしまったがために「自分には創作は向いていないのだろうな」と思ってしまい、手間暇が物凄くかかるという面から見ても、創作は受験勉強の開始と共に避けていくようになりました。

その後、大学入学後の1年生次にも、「今あるゲームで満足しているし、どうせゲーム制作は大変だろうから良いかなぁ」という思いがあり、当時ゲーム制作サークルだと聞いていたMIS.Wに入るという選択肢は全くありませんでした。

でも、見て分かる通り、ふとしたきっかけから、「創作への情熱は再燃」し、あれだけ避けていたゲーム制作を企画するほどにまでなったのです。一度創作を試みたことのある人の創作への情熱は、そう簡単に消えてしまうものではないのです。

これからの人生、何が起こるかなんてわからないものですし、自分で選択肢を狭めてしまうことは非常に勿体無いことです。頭だけで理解しているイメージをただ信仰するのではなく、興味のアンテナをより広く張って、貪欲に、楽しく物事にチャレンジしていくことが大事なんだな、とこの歳になって漸く実感することが出来たのです。

MIS.Wに限定して宣伝する訳ではありませんが、大学生こそ、本気で創作に取り組める最後の絶好のチャンスです。きっかけはどんなことだって構いません。是非ともそういった__「創作サークル」に入りましょう!(できれば時間がある1年生のうちからね!)

MIS.Wは引退してしまいましたが、来年以降も色々な分野に積極的かつ貪欲に、楽しさと情熱をもってチャレンジできればと思っております(ギッリギリ今年中に間に合ったぞ・・・)。

最後になりましたが、改めて。MIS.Wの先輩、同期、後輩には色々と支えられながらも、幸せな時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。



  1. どれほど自分の能力を低く見積もって、ドハマりクラスだったことを十分考慮しても、今となって冷静に分析すれば第一志望には行けたんじゃないかとは思ってはいる。

  2. 大学生って別に勉強だけで構成されている訳ではなくて、勉強とかサークルとかバイトとか恋愛とかあるんだけど、当時の僕は完全に勉強一本だったため、少しでも勉強方面で嫌なことがあると物凄く精神が不安定になっていたことを記憶している。どんな形であれ、精神的な逃げ道は常に作っておくべきだと痛感した。