ふぅろぶうぅるず

愚者の楽園

【2018】あけおめ絵のウラのウラ

TL;DR

あけおめ絵を描いてて工夫した点とか苦労した点とか

ご挨拶

どうも、あたふたです。あけましておめでとうございます。

このブログというのも、去年の12月それもアドベントカレンダーに参加するべく登録したばかりのブログで、まだ

at0x0ft.hatenablog.com

とかいう自分の趣味をただただ書き並べただけの記事ただ1本だけが投稿されているっていう・・・。そんな中で 去年はお世話になりましたー とか言うのもなんかヘンなので、まあうん。

あけおめ絵ができるまで

生まれてから日本以外に住んだことがないあたふた君、多少なりとも礼儀を重んじる文化にどっぷり浸かってきた影響か、新年の挨拶たる年賀状を書くにあたっては思うところもあり、いい加減に済ませられるはずもなく、気合が入りすぎてあけおめ絵ができるまでのメイキング動画なるものを作っていたりもする。以下ではこの動画の内容も踏まえつつ、思ったことを色々書いていこうかと思っている。

見てわかる通り、ディジタル化が進んだこのご時世に "鉛筆で下書き→色鉛筆で着色(→スキャナーで取り込み)" とかいうなんともまあ面倒な手法を採用している。
これには

  1. ペイントソフトの使い方をマスターしきれていないから*1

  2. 自分の得意な絵の描き方が鉛筆系統を用いた模写だから

  3. 去年以前もこの方法を用いてうまくいっているから*2

  4. 時間かけて丁寧に描き込めば多少下手でも多めに見てもらえるんじゃないかとか期待しているから

という三つの理由によるところが大きい。

メイキング動画をあけおめ絵のウラの部分だとすれば、以下の写真はウラのウラになるんだけど、面白そうなのであげとく。

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X1Yogaのカメラアプリで自分の手元を撮影するという荒業を成し遂げた。パソコン台ってこんな使い方も出来るんだと感動した。

因みに絵の下の名前が異なるバージョンが実は3パターン存在して、Twitterアカウント名のもの二つと実名のやつ、それに伴って動画も2パターン、微妙に異なるものが存在している。ちょっと面倒だったけど、まあ仕方ない。

ロケハン

去年と全く同じ作戦。都民の日の無料入場を利用して上野動物園で犬を探して題材にした(去年は小石川後楽園でカモを描いた)。
犬ってかなり身近にいるおかげで、動物園で見かけることは殆どなくて、実際のところ犬っぽい動物を探すのはかなり大変だった。動物を飼っていない身としてはつらい。
そんなこんなで今回見つけた動物は タテガミオオカミ。オオカミって実質犬だしええやろって思ったけど、実際に見てみるとこれ。

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キツネっぽい・・・。しかも寝てる・・・。凄い描きにくい・・・。
正直な感想がこれだった。フェンスにかかっている説明文を見ると更にこんな感じ。

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オオカミ(オオカミとは言ってない)。お前は一体何なんだ・・・。

まあでも多少鼻を強調すれば犬っぽくなるだろうし、寝ている姿はかわいくなくもないのでそのまま採用とした。

ペットショップに行って撮影しようかとか考えたけど、あけおめ絵素材のためだけにペットショップに侵入して、犬を撮影して即帰宅とかいうムーヴを決めるとそれはそれで立派な不審者だしお店にとって良い迷惑なので諦めた。

撮るだけ取ったはいいけど色々予定が立て込んで、ここで撮った写真は12月下旬まで、実に2か月以上放置されることになる・・・。

下書き

慣れてないせいもあってか、ざっと2時間くらい掛かった。去年はこの部分も動画化したんだけど、そこまで画質が良くなくて、はっきり言って書いてるかどうかも分かりづらいので思い切って今年は思い切ってばっさりカット*3
動画に乗っけた下書きかなりコントラストが強くなるよう調整したもの*4で、実際はかなり薄い。
時間こそ掛かったけど、まあそこそこうまく描けたんじゃない?(右耳のあたりが実は狂ってる)って感じ。

色塗り

おっそろしく苦労した。日陰に入った動物を描くのは多分初めてで、思うように理想の色になってくれなくて大変だった。

基本的に暗い色を作りたい時には、よっぽどのことがない限り黒を使わないようにしている。というのも、黒は色としては強すぎて(絶対的で)、使ってしまうと黒の部分が強すぎて、他の部分が霞んでしまうことが多い。一度使ってしまうと、後からの調整が効かなくなってしまうという点で黒は扱いがなんとも難しい色である(と思ってる)。

しかし、今回はそれが裏目に出た。青を混ぜながら塗ると、全体的に青ざめた元気のないような感じになってしまって、まるで病気に苦しんで寝込んでいるキツネでも描いているんじゃないか(キツネじゃない、オオカミ)って感じであーこれはまずいってなった。新年早々そんなの送り付けられた方はたまったもんじゃない。

青や紫といった寒色系の色は、綺麗だし好きな色ではあるんだけど、こういった 生き物の体の色として隠し味的に使う時には注意が必要 というのが今回の知見。

このことに気づいてから慌てて赤色とか加えて誤魔化したけど、時すでに遅し、なかなか青系統の色が消えてくれなくて困った。結果、青と赤が混ざったよく分からん色になってしまった。

「はー、下書きからやり直しかー」って思いながらダメもとで消しゴムをゆっくり擦ってみたら意外といけた。そっからはご覧の通り、黄色ベースにしつつ黒をメインにしてああいう感じの色になんとか修正完了。アナログだとこういう時につらいね。

消しゴムを掛けることで多少ぼかしの効果も得られて結果的には良かったのかなってのが今となって思うこと。色鉛筆の良さがちょっと薄れてしまうけど。

今回はオオカミのメインの色が焦げ茶色に近い色だったので、黒を使って問題なかった。てか寧ろ最初からそうするべきだった。色鉛筆の色は減法混色ではあるけど、厳密な減法混色ではない。元の色がどうしても残ってしまう。赤+青+黄≠真っ黒 ってことを実感した。

体毛の最も明るい部分の色も割と苦労した。黄色だと明るすぎるし、橙だと色は似てても光りすぎるし、茶色混ぜても微妙だし・・・。結果的に黄色ベースで茶色を全体的に被せてそこそこうまくいった。

12色の色鉛筆で色を表現するってやっぱ難しい。目的の色に含まれる成分を見て判断して的確に組み合わせないと再現できないから。勿論これは悪いことばかりではなくて、たまたま良い色の組み合わせ方を発見したりする場合があるので、これはもう冒険というかギャンブルというか、一種の職人芸なんじゃないかって思ってる。素人がこれに挑むってのはなかなか無謀かもしんないけど。

字とか

動画ではバッサリカットしているけど、字も色々ある。
基本的には筆ペンで紙に書いてスキャナーで取り込んで、GIMPで大きさとか調整しつつ配置し直すという方法を採っている。下手な字をかなり誤魔化した(その証拠に、動画の画面切替の時の字幕の字と、絵の上下にある字を見比べていただけると分かるかと思う。前者が無修正で後者が修正後。)

【余談】GIMPとの戦い【愛用ペイントツールの変遷】

GIMPは高校の頃に知ってインストールして「使い勝手悪りぃ!」と挫折し、以後ずっとAzPainter2を愛用してきた。

大学に入って、フォトショ弄ってみよう!的な講座で「あー電脳はさみ便利だなー」って思って、その電脳はさみがある無料のペイントツールはやっぱりGIMPでしょってなった。再度インストールして使ってみるも、操作感がGUIに寄りすぎている割に、マウスとかタッチパッドとかTrackPointで運用するにはかなりの苦行だと感じてやっぱり挫折。機能が多すぎて使いこなせなかったってのもある。もうちょっと機能がスリムでレイヤ移動とか具体的な数値で指定できて、ショートカットキーの再設定とかが比較的ラクなAzPainter2の方が良いや、ってなった*5。これが去年の年賀状作成の時の話。*6

今年に入って講義資料がpdfで渡される機会が増え、そのためのタブレットが欲しいなぁ(できれば液タブ的な運用もできる奴がいいかなぁ)とか思い、大奮発してThinkPad X1Yogaを購入*7。これが大正解。「もしかしてペン型のデバイスを使えばGIMPの操作感の悪さも多少改善できるのでは」と思ったけど、まさにその通りだった。ペンで画面を直接なぞりながらキーボード叩くと色々と細やかに調整が効かせることが出来て凄く良かった。X1Yoga様様である。*8

2度に渡る挫折を経て、ようやく分かり合えた。GIMPはペン系デバイスがあって初めて輝くソフト だと確信した。

ペン系デバイスが存在しない環境での無料ペイントツールとしてはAzPainter2を改めておすすめする。しかしAzPainter2よ、ごめんな。これからはGIMPが大活躍しそうだ。今までありがとう。そしてお疲れ様。

動画編集

去年もお世話になった、皆大好きAviutl。
これも実は高校時代に触って挫折して去年克服したパターンだったりする。
去年触ったくせに結構忘れててビビった。老いを感じた。
今回調べて出てきた有益なサイトとかは後々雑記的にまとめるかも。

音楽

バックで流れている音楽は1971年発売のYes*9のアルバム、"Fragile(こわれもの)"より、"Heart of the Sunrise(燃える朝焼け)"をAudacityで2分20秒以内に収まるように編集しなおしたもの。原曲はなんと10分34秒もの長さを誇る超大作である。良曲なので是非とも聴いてほしい。

編集してて思ったのが曲の構成がすごくよく考えられているということ。流石、プログレッシヴロックを代表するバンドの黄金期の作品と言われているだけあって何度聴いてもまるで飽きない。自分の下手くそな構成で曲の魅力が1/8未満になってしまったのがすごくつらい。

余談だけどFacebookに投稿したら見事に音声ミュートになった。仕方ないね。

投稿した後の話

TwitterにしろFacebookにしろ、めっちゃ画質悪くなってて泣いた。でも向こうもリソースが限られているわけだし、仕方ないね。

因みにこの絵を家族に見せたところ 「これ犬じゃないじゃん」 ってツッコまれてしまった。わかる、わかるよその気持ち。んでもそこは大目に見てくれ。

年賀状を絶対に紙で出さなきゃとかそういうのに固執する気はないけど、だからと言って日本の伝統が消えてしまうとそれはそれで寂しい。だからこそ、多少時間が掛かってもしっかりと新年の挨拶に臨んでいるつもりではある。
形がどうであれ、時代に即したなんらかの形で伝統が残ってくれれば良いのかな。

新年早々長文で失礼しました。改めまして、今年もどうぞよろしくお願いします。

*1:こういう時くらいしか絵を描かない人間にとっては、ソフトの使い方を毎年malloc→freeしているようなもの

*2:この形式のあけおめ絵を描いたのはこれで3度目、メイキング動画まで作ったのは今回が2度目

*3:一応撮ったよ

*4:その影響もあってか、周りに黒いボツボツが見られる

*5:絵とか描くときにできるだけ数値でカッチリ描きたい派。左右対称なものはできる限り(自分の許す限り)なるべく左右対称に描きたいとか思ってる

*6:素直にフォトショとかクリスタ買えよって言われそうだけど、年に1、2回しか絵を描かない人がわざわざ買ってもねぇ・・・ってところがある

*7:筆圧感知2048段階のwacomペンが付いている上に360度ヒンジが回ってタブレットモードにもなる。薄型ノーパソでありながら疲れにくいキーボードに加え、ThinkPad信者には欠かせないTrackPointまで付いている。All in Oneな神端末。Lenovoの回し者じゃないです

*8:従来のペンタブを買うことも考えたけど、それだとどうしても絵を描くという目的に限定されてしまうし、なにより描画される部分と実際にペンでなぞる部分が違うってのが嫌だった。おまけに液タブ買うとしっかりしたやつだと30万とかするので、そう考えるとX1Yoga(学生料金で15万弱)って選択はかなり最適解に近いんじゃないかって今でも思ってる。お絵描き以外の用途も当然ある訳だし

*9:最近だと2012年に放送したジョジョの奇妙な冒険、1部2部のアニメのED曲としてRoundaboutが有名か